建設労務安全研究会
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労研からの提案−近未来の建設労働−

建設労務安全研究会ではこのほど「近未来の建設労働」というタイトルで建設業で働く人々が誇りをもって働ける状況作りをねらいとして2020年までに取り組みをしてゆくべき課題とその課題が成し遂げられることによって変わってゆく技能労働者や企業像をまとめましたのでご紹介します。

◎近未来の建設労働の骨子
  −20年後を見据えた働き甲斐のある建設現場作りへの舵取り―

第一章 社会の変化に対応した労務管理
【建設業と社会環境】
ここでは将来の経済見通しと労働人口、下請制度の問題点・建設業の評価について記述しています。
【近未来における建設業】
今後の建設業像と建設労働を見据えた舵取りとして生産性の向上促進、人材確保育成の方策、労働環境・賃金の改善向上についてまとめました。
【連携請負】
後述
第二章 建設従事者のライフスタイル
2020年より前に実現しそうですが、1日のライフサイクルと生涯モデルを検討して若い人々に入職の意欲を、定着の希望を持っていただけたらと研究をしました。
第三章 物創り、人づくり
物づくりの原点は人づくりであり、技能者を守り育てる企業が生き残り、技能労働者に夢を与え続けられると結論しました。
この中で一貫して求め続けたものは技能労働者(ブルーカラー)と呼ばれる人々の労働条件の改善であり、社会的地位の向上です。
連携請負制度はこれらの目標を実現するための大きな一方策として提言させていただきました。お読みになられた方々のご意見をお待ちしております。
◎連携請負について
このほど労研にてまとめた「近未来の建設労働」という報告書の中で、建設業の生産システムを合理化するために重層下請構造の改善と専門工事業者の体質強化をめざして、従来の”重層下請”から脱却した”連携請負”の移行を提言しました。
労研では「連携請負の実現は、建設労働者が近未来において、well-being(健康ですべてが満たされている状態)を保持し、夢と誇りが持てるようにするための方策の一つになる」と位置付けています。
連携請負のしくみについて
連携請負の狙いのひとつとして”労働力のネットワーク化”があります。公的機関である「建設技能検定・登録センター」を設立し、そこのデータベースとネットワークを通じ、従来の”縦の連携”から専門工事業者間における”横の連携”の構築を目指します。ただし、これには従来の重層下請が統廃合・再編され一次、二次までに収束するという専門工事業界での企業淘汰・再編が行われるという前提が必要です。しかしながら、重層下請の弊害防止や管理費コストの縮減などが期待できます。
「建設技能検定・登録センター」とは
 センターの主な業務は@工種別、ランク別技能検定(更新検定も含む)、A個人資格(技能検定)の登録、B同登録のデータベース化及びその維持更新、C工種別、技能別ランク別標準労務賃金の評価.統一化、D労働力ネットワークシステムにより企業からの技能検定者派遣要請を受けた場合の技能工などの斡旋業務などとなります。
  センターが技能検定ランク別の標準労務賃金を決定し、その賃金を労働者派遣時の公的単価とすることにより、これまでの大きな課題である技能工の一定賃金の確保が可能になります。
連携請負の形態
 連携請負の形態は@労務者派遣による施工パターン、A企業間連携パターンに分かれます。@では多工種にわたる施工能力を有する基幹専門工事業者が、単独では不足する技能工を労働力ネットワークシステムにより、センターにアクセスし、データベースを介して一時的に余剰技能工を抱える他の専門工事業者から派遣をしてもらい、単体企業として工事を行うものです。
  Aはさらに「共同企業体施工パターン」と「連携請負による連携パターン」に分かれます。共同企業体施工パターンは基幹専門工事業者が、互いに補完しあう形の共同企業体を組み、元請にアプローチして施工を行うもので、直接企業間で行うかセンターを介して行います。連携請負によるパターンは、受注を目指す工事の内容、規模などにより、専門工事業者が連携先を規模、業務内容、施工能力などによって選択するものです。
法的整備について
 連携請負を実現させるためには「労働者派遣制度」の建設業導入が前提条件となります。現状の労働者派遣法では建設業は適用除外となっているからです。これには建設雇用改善法を改正し、”労働力需要調整”を法目的に追加することで建設労働者派遣事業を創設することを提案します。
  また、連携請負制度の運用に当たっては、トラブルを防ぐため「派遣労働者の制限」とその実効性を検証する「チェックシステム」の整備が不可欠です。
  また、連携請負の要となる「建設技能検定・登録センター」の法的整備も必要となります。
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